お知らせ 講演会「能登北部医療圏の在宅療養移行支援を考える －この町で生ききりたいをかなえるために－」を開催しました 2018年6月18日 up 地域のニーズに沿った研修企画「能登北部医療圏の在宅療養移行支援を考える」 地域ケア総合センター人材育成部会では昨年、能登北部医療圏にある病院（珠洲市立総合病院、公立穴水総合病院、輪島市立輪島病院、公立宇出津病院）を対象に教育ニーズの実態を調査しました。その結果、各病院に共通する教育ニーズは、超高齢社会、人口減少を背景とした地域特有の在宅療養移行支援における課題の解決を図る研修でした。看護部長さんたちの「地域住民の『この町で最期まで暮らしたい』をかなえるために」なんとかしたいという熱い思い対して人材育成部会でできることは何かを考え、看護部長さんたちと共に6月7日（木）に研修（第1部「事例検討会15:00～17:30」、第2部「講演会：18:00～19:30」）を実施しました。また、能登北部の医療職の方々が多く参加できるように、キャッスル真名井（穴水）で開催しました。 第１部 多職種による事例検討会：15:00～17:30 「能登町、穴水町、輪島市、珠洲市の地域住民がこの町で療養していくための在宅療養移行支援」 講師：在宅ケア移行支援研究所 宇都宮宏子先生 公立宇出津病院、公立穴水総合病院、輪島市立輪島病院、珠洲市立総合病院の順に、1病院30分ずつ事例検討を行いました。「この患者さんにこの薬いる？」という宇都宮先生の質問に、参加者は「はあっ」とさせられ、在宅に移行するときには「いかにシンプルにするか」が大切だと気付きました。参加者は一つひとつ患者さんの願いに近づくケアが考えられるようになっていきました。そして4つの病院の看護師、ケアマネージャー、ソーシャルワーカーなどが「この町でこの患者さんの願いをみんなでかなえたい」という気持ちを一つにして、ディスカッションが繰り広げられました。看護部長さんたちは、「参加した看護師の顔が生き生きとしていく、変わっていくのがうれしかった」と語っていました。 第２部 講演会 18:00～19:30 「この町で、生ききりたいをかなえるために－在宅・地域協働で取り組む退院支援－」 講師：在宅ケア移行支援研究所 宇都宮宏子先生 能登北部の病院をはじめ、居宅介護センター、訪問看護ステーション、地域包括支援センター、老人保健施設などから看護師、保健師、ケアマネージャー、相談員など約120名が参加しました。この地域に住む医療職・介護職等だからこそ、「この町で最期まで生ききりたい」という患者さんの願いをかなえるためにどう支援していけばいいのか、「なんとかしたい」という思いが参加者から伝わってきました。そして宇都宮先生から何度も繰り返される「患者さんはどう生きたいのか」という問いに、参加者一人ひとりが看護の源泉に戻り、在宅療養移行支援は「看護そのもの」であると再認識しました。臨床現場であらたに「患者の意向に添う看護」を行っていくという参加者の意気込みを感じました。 能登北部医療圏の医療職のニーズに沿った研修を開催し、多くの方々に参加していただき心から感謝いたします。今後も看護部長さんと共同で継続的に研修を開催していきたいと思います。 石川県立看護大学 地域ケア総合センター人材育成部会 石川 倫子 「病棟看護師－ケアマネージャー－訪問看護師へと継続していくためには」 講師：在宅ケア移行支援研究所 宇都宮宏子先生 6月8日（金）10:00～12:00 に石川県立看護大学で「病棟看護師－ケアマネージャー－訪問看護師へと継続していくためには」と題して、意見交換会を開催しました。参加者は石川県内の病院の退院調整看護師や訪問看護師、ケアマネージャー、看護管理者、学部生等22名でした。「病棟看護師の退院支援に関する教育」や「ケアマネージャーと病棟看護師・退院支援看護師との早期の連携」、「訪問看護ステーションから病院へ看護サマリーでつなぐ」、「地域行政も巻き込んでの病院改革」など、それぞれの施設の取り組みや課題について意見交換をしました。地域（病院も含む）でいかに連携し、その人の在宅での療養を可能にしていくか、改めて石川県全体で考えていく必要性を感じました。 意見交換会は、お互いの取り組みから学び、お互いの課題を一緒に解決し合う場となりました。看護管理者、退院調整看護師、ケアマネージャー、保健師等が集まり、互いに学びあう「場」を提供していくことも大学の大切な役割であることを認識しました。ご参加いただきました皆様に心より感謝いたします。 石川県立看護大学 地域ケア総合センター人材育成部会 石川 倫子
