こんにちは。本事業を担当している心理学教員の松田です。
本事業では、避難所の温度と湿度を1年を通して計測し、より良い過ごし方を模索するための判断材料を創出することを目的として活動しています。
10月8日、かほく市七塚健康福祉センターにて、地域公開講座「温度を理解し、温かい家を作ろう!」を開催しました。当日は17名(男性3名、女性14名)の方々にご参加いただきました。
本講座では、室温と健康の関係を考えながら、家庭で実践できる寒さ対策についてお話ししました。特に、築50年ほどの一軒家で実際に行ってきた工夫をもとに、できるだけ費用をかけずに室内を暖かく保つ方法を紹介しました。

さて、皆さんは温度というものをどれくらい意識して生活しているでしょうか?
例えば、寒い部屋を暖房で暖めたとしても、暖房を止めるとすぐに寒くなってしまうことがあります。逆に、暖房を止めても長い時間暖かさが保たれる部屋もあります。この違いはどこから生まれるのでしょうか。
講演では、温度の変化を理解するために、アルミ缶とマグカップを使った実験を紹介しました。
まず、マグカップに水を入れ、その中に温かいコーヒーの入った缶を置きます。このとき、コーヒーの温度は43℃、水の温度は22℃でした。しばらくすると、コーヒーの温度は34℃に下がり、一方で水の温度は30℃に上昇しました。
ここで重要なのは、温度はちゃんと管理すれば理論通りに変化するという「素直さ」です。温度の変化は決して複雑なものではなく、基本的な仕組みを理解すれば、その後の変化をある程度予測することができるわけです。

この考え方は、住宅の寒さ対策にも応用できます。
例えば、冬の室内では暖房によって空気を暖めても、窓や壁などを通して屋外へ熱が逃げていきます。つまり、室温を上げることだけでなく、暖めた室内の熱をできるだけ逃がさない工夫が重要になります。
講演では、これまでの経験や実際の計測データをもとに、身近な材料を使ってできる寒さ対策や、費用を抑えながら住環境を改善するための考え方についても紹介しました。
参加者の皆さんは熱心に話を聞いてくださり、説明の途中では「ほおーっ」と感心したような声が上がる場面もありました。また、講演終了後にも質問に来られた方がいらっしゃいました。その方からは、ご自身の住まいについて「隙間風がひどいけれど、どうすればよいと思いますか」という相談を受けました。そこで、隙間風への対策として考えられる工夫についてお話ししました。今回の講演内容をご自身の住環境に役立てようとしてくださったことは、大変嬉しいことでした。

本事業では、これまで避難所指定施設の温度・湿度を計測し、その特徴を把握する活動を進めてきました。しかし、温度や湿度についての知識は、災害時の避難生活だけでなく、普段の生活環境を改善するうえでも役立つものです。
今回の公開講座は、これまでの活動で得られた知識や経験を地域の方々にお伝えする、啓発活動の一つとなりました。
今後も温度・湿度の計測を継続するとともに、そこで得られた知見を地域の方々の生活に役立てていただけるよう、活動を進めていきたいと考えています。








