こんにちは。本事業を担当している心理学教員の松田です。
本事業では、宝達志水町における祭礼行事の様々な情報を記録し、将来にわたって保存する活動を行っています。

活動を開始したのは2023年度です。そのきっかけとなったのは、新型コロナウイルスの流行でした。2020年から2022年にかけて日本各地で祭礼行事が中止され、地域住民が長年にわたって受け継いできた技術や知識が途絶えることが懸念されました。実際に、地域の方との会話の中で「祭りの獅子舞の動きも忘れてしまっている」という話を聞き、祭礼文化を記録することの重要性を考えるようになりました。
そこで、NPO法人宝達スポーツ文化コミッションと協働し、2023年度から祭礼行事のデジタルアーカイブ作成活動を開始しました。
お祭りには実に多くの情報があります。獅子舞の種類や名称、手足の動き、太鼓のリズム、笛の運指、祭礼で使用する道具などです。これらは地域の方々にとっては当たり前の知識かもしれません。しかし、担い手がいなくなってしまった場合、それらを正確に再現することは容易ではありません。
本事業では、単に祭礼の風景を美しく撮影するのではなく、将来、祭礼を知らない人であっても記録を見ながら再現できるようなアーカイブの作成を目指しています。
2023年度には、祭礼の練習や当日の様子を動画・写真で撮影するとともに、祭礼全体の構成や記録すべき対象の確認を進めました。また、撮影した映像をタブレット端末に収め、祭礼関係者へ提供しました。
2024年度には活動をさらに拡大し、獅子頭、天狗面、烏帽子、笛、太鼓、神輿の装飾など、祭礼用具の撮影にも取り組みました。また、獅子舞の動作や笛の運指、太鼓の打法など、技能の継承に役立つ記録の充実も図りました。
その後も祭礼当日の撮影や過去資料の収集を継続するとともに、地域住民が記録を閲覧できる環境の整備を進めています。さらに、他の地区からも記録保存に関する相談が寄せられるようになり、すでに祭礼が途絶えてしまった地区の資料保存にも活動が広がっています。
さて、2026年度の活動です。今年度はこれまでに撮影・収集してきた動画や写真などの資料を整理し、地域の方々にお渡しすることを予定しています。また、これらの記録をもとに、お祭りの様子や魅力を紹介する動画を制作し、祭礼当日に公開することも計画しています。
これまでは祭礼の記録を残すことを中心に活動してきましたが、今年度は蓄積してきた記録を地域の方々に見ていただき、活用していただくことにも力を入れていきます。
祭礼のデジタルアーカイブは、一度撮影すれば完成するというものではありません。地域の方々と協力しながら、少しずつ記録を積み重ねていく必要があります。
今後も活動を継続し、地域の祭礼文化を将来に残すとともに、他の地域でも活用できるアーカイブ作成方法の確立を目指していきたいと考えています。








