「第28回ペリネイタル・グリーフケア検討会」(周産期に赤ちゃんを亡くした方へのケアを考える会)を実施しました。

2023/02/20

 石川県立看護大学附属地域ケア総合センター事業(人材育成事業)の1つである「第28回ペリネイタル・グリーフケア検討会」を、令和5年2月19日(日)に石川県立看護大学母性・小児看護学実習室で開催しました。今回はオンライン参加の希望にも対応し、WEB会議システムZOOMも使用し、ハイブリッドにて開催しました。

 今年度より周産期のグリーフケア初学者のための第1部(午前の部)を企画し、グリーフケアに関する基本的知識と関わり方の基本について、企画委員のロールプレイを交えて学んだ後、会場からの質問に回答したり、施設間の交流をはかりました。

 第2部は従来の方法で、「不妊症・不育症患者への支援を考える その2~看護専門職・研究者の見解を知ろう~」というテーマで実施しました。
 まず、米田から厚生労働省が昨年度より日本助産師会に委託し、開催している「不妊症・不育症ピアサポーター等養成研修」の情報提供をしました。その後、本日のテーマにまつわる講師である石川県不妊相談センター相談員でよしかわ助産院院長吉川由起子氏と不育症の支援について研究されている富山大学学術研究部医学系母性看護学講座の二川香里氏にお話しいただきました。吉川氏からは「不妊相談を通して、みえてくるもの」と題してお話していただき、二川氏には「不育症の検査治療の実際と検査治療中~妊娠後の女性の思い 研究を通して支援を考える」と題してお話いただきました。

 休憩をはさんで、対面2グループ・オンライン4グループずつに分かれて、お話を聞いての感想、質問を考えていただきました。それぞれの話し合いの後、各グループごとに企画委員から話し合われた内容や出された質問を発表していただき、それに対して講師に答えていただきました。

 第1部参加者は医療機関スタッフ15名、看護学生1名、助産学生2名、教員4名の計23名(内オンライン10名)、第2部は医療機関スタッフ15名、行政関連3名、体験者1名、看護教員4名、看護学生1名、助産学生2名の計26名(内オンライン12名)でした。

 開催後のアンケート結果では、第Ⅰ部に関しては、オンラインでの音声トラブルはあったものの9割以上の参加者が内容・方法に関して満足と回答し、今後に活かせると回答していました。感想として、「ロールプレイで実際の声かけがリアルでわかりやすかった」「他施設、いろんな立場の人と話ができて視野が広がった」「自分の気持ちや考えを言語化する機会になって、次につなげることができそうと思えた」と満足度は高いものとなっていました。
 第Ⅱ部については内容については全参加者が満足と回答し、方法・場所、今後に活かせるかについて全参加者が満足・活かせると回答していました。感想として、「不妊不育症の知識を得られただけでなく、事例から女性の実際の声、具体的な支援方法を聞くことができ、とても貴重な時間だった」「グループワークがあり、他の病院での取り組みや行政ではどのような思いがあるのか知ることができ、有意義な時間を過ごせた」「気持ちに配慮しながらコミュニケーションをとることができそう」と今後のケアに活かせる有意義なものとなっていました。

 次回第29回は令和5年7月22日(土)Ⅰ部10時~12時 Ⅱ部13時30分~16時で「人工妊娠中絶をめぐる支援 ~初期から中期まで~」を考えております。参加申し込みは1週間前になっております。多数のご参加をお待ちしています。

第Ⅰ部 ロールプレイの様子

  

第Ⅱ部講師 吉川由起子氏

 

第Ⅱ部講師 二川香里氏