令和5年度「感性を磨く事例検討会」を開催しました

2024/03/25

当検討会は、援助職が職場外で多職種と共に困難事例について検討することのできる安心・安全な語りの場を提供することを目的に実施しています。また、患者、援助者、患者‐援助者関係、臨床状況、という事例の4局面に視野を広げ、援助者の感情に焦点を当てた事例の包括的なアセスメントを通じて、患者理解のための援助者の感性を培い、参加者のエンパワメントを目指しています。

▶開催方法
毎月第2木曜日(8月を除く)18:30~20:30
オンライン(Zoom)開催

 

▶参加者
令和5年度は、計11回の検討会を開催し、参加者数は延べ248名に達しました。
参加者の属性は、看護師、保健師、助産師、医師、認定看護師、専門看護師、大学院生、大学教員等さまざまであり、それぞれの立場から活発に発言をしていただきながら検討を進めることができました。

 

▶実施内容
各月、事例提供を募り、検討を進めました。参加者は、県内のみならず全国から集まり、拠点を異にする援助職どうしの交流は、ケアにおける地域間格差をなくし、ケアの改善に役立つと好評を得ました。

検討会では、参加者が自身の感情に焦点を当てることの意味や、自身の感情を率直に表現する重要性への気付きが得られました。検討会中には、援助場面の振り返りを行うことで、提供者を含む参加者全員の対人援助の能力向上に繋がる取り組みとなったと考えられました。事例提供者からは、「事例提供して参加者と検討することで安心感、一体感を感じた」「自分ってこんなことを感じていたんだなと気付いた。感じたことを言葉にしていきたいと思った」等、エンパワメントされたという内容の発言が多く聞かれました。
令和5年度は月1回の事例検討会に加え、12月の第43回日本看護科学学会にて「感性を磨く事例検討会」の交流集会を開催しました。スーパーバイザーである宮本眞巳先生の講義だけでも聴講したいという方も多くいらっしゃり、大きな反響がありました。

コーディネーター:美濃由紀子、大江真吾(石川県立看護大学 精神看護学講座)
スーパーバイザー:宮本眞巳(東京医科歯科大学名誉教授)
事務局:川俣文乃、髙濵圭子(石川県立看護大学 精神看護学講座)