Curriculum
看護学部のカリキュラム
カリキュラムの案内

高い技術と看護精神を身につけた優れた医療人を育む

4年間の学びを通じて、高い技術とその基盤となる看護精神を身につけた「優れた医療人」を育みます。卒業後は医療現場だけでなく、高齢者・障害者の福祉施設、自治体や学校、企業など、多くの活躍の場が待っています。また大学院への進学、世界中の医療を必要とする現場での活躍などの道も開けます。

看護学実習科目

本学では、様々な健康レベルの人々が生活・療養している保健・医療・福祉領域の看護実践の場での教育を重視し、入学早期から体験実習を導入しています。実習科目は、講義・演習の進捗状況に対応して、段階的・反復的に進めることにより、看護専門職としての実践能力を高めていくことができるように、次のように5段階から構成されています。

カリキュラムの構成

人間を学び看護を理解する領域と実践能力を修得する実習が充実

カリキュラム編成の大きな特長として、看護学を学ぶための基礎となる「人間科学領域」と看護学の専門教育である「看護専門領域」を体系的に統合した効率的なカリキュラムを編成しています。

■ 人間科学領域

人間科学領域は、「導入」「人間の理解」「社会の理解」「環境の理解」「情報」「国際」の6分野から構成し、看護専門領域を支える基盤として理解を深めると同時に、高度情報化や国際社会にも対応し活躍できる基礎能力の修得と、豊かな幅広い人間形成を目指します。

■ 看護専門領域

看護専門領域は、看護に必要な専門的な理論と知識、技術を系統的・段階的に学び、看護学の発展を目指して成長できるように、「健康・疾病・障害の理解」「看護の基本」「看護援助の方法」「看護の実践」「看護の発展」の5分野から構成しています。

カリキュラムツリー

カリキュラムツリーは、カリキュラムの概念図をより詳細に示しています。縦軸には、「人間科学領域」と「看護専門領域」の2領域とそれらの領域において具体的に学ぶ10分野を示しました。横軸には、1年次から4年次の学年進行を示し、各学年(横軸)において各分野(縦軸)で教授する授業科目名を示しました。各学年及び各分野に配置する授業科目は、それぞれに繋がりをもちながら学びを深めるように配置しています。また、実践の科学として看護学を学ぶために、1年次からのフィールド実習に始まり、学年進行において順序立てて看護学実習の学びが蓄積できるように配置しています。このような科目間の繋がりと自身の学修状況を繰り返し確認しながら、学習を振り返り学びを深めましょう。

人間科学領域

人間科学領域では、学生が大学での学修に適応するとともに、人間と人々が生活する社会・環境についての理解を深め、高度情報社会や国際社会でも活躍できる基礎能力と豊かな幅広い人間形成を目指し、看護学を学ぶ基盤を築きます。学生の多様な能力や学習意欲に柔軟に応えることができるように、多くの選択科目を開講しています。

人間科学領域の教育課程

「読む・書く・調べる・発表する」等のアカデミックスキルを学びます。

新入生が大学の学びへと円滑に移行できるよう「読む・書く・調べる・発表する」等のアカデミックスキルを養います。また、「人間の理解」、「環境の理解」、「健康・疾病・障害の理解」を深めるための基盤を養います。

人間の理解 

人間を生活者として理解することを学びます。

人間の存在意義や本質について学ぶことにより、人間を生活者として理解することを学びます。また、さまざまな健康レベルの人々が生活している場に出向き、人間と人間を取り巻く社会、環境への理解を深める「フィールド実習」も行います。

●哲学的・心理学的思考を通して、人間の存在の意義と本質を洞察し、人間を生物体としてのみならず、生活者として全人的(holistic)に理解する能力を養います。
●人間関係を築いていくための基盤となるコミュニケーションの知識や技法を修得します。
●人間の生命・生活を尊重し、人の痛みや苦しみを共に分かち合える温かい心と豊かな人間性を育みます。
●看護専門職としてのみならず、ひとりの社会人として、自己の心身の健康に向けて鍛錬するための知識と技術を養います。

社会の理解 

現代社会が抱える諸問題を理解することを学びます。

人々の生活を支える社会のしくみと個人・家族と社会との関わりについて理解を深めるとともに、社会科学的・文化人類学的な視点から保健・医療・福祉・看護が抱える諸問題を考察する能力を養います。

環境の理解 

自然科学的な考え方の基盤を学びます。

人々の生活と自然環境との関わりや人間と環境との共生について理解を深めるとともに、自然科学的思考の基盤を学びます。

情報 

高度情報化社会に対応できる知識や技術を修得します。

情報通信機器やマルチメディアの発達に伴う高度情報社会に対応できる知識・技術と保健・医療・看護分野のデータの統計情報処理に必要な能力を養います。
講義だけでなく演習も重視し、特に、保健・医療・福祉の分野に関連した情報処理や統計学を充実させ、それを支援するネットワークシステムも構築していきます。

国際 

国際的な視野から健康や看護の問題について考えられる思考力と語学力を養います。

国際的な視野から健康問題や看護問題を思考、判断し、国際社会でも活躍できる思考力と語学力を養います。英語だけでなくドイツ語、中国語、ロシア語も学べるようにしています。

看護専門領域

看護専門領域は、看護に必要な専門的な理論と知識、技術を系統的・段階的に学ぶとともに、看護学の発展を目指して成長を遂げることができる基盤を築きます。

健康・疾病・障害の理解 

人間の生命現象、健康の保持と増進、疾病・障害の発症と回復のしくみを学びます。

●人間の生命現象や人間の機能と形態、人間の常態を逸脱して病気の状態になる過程とその機序について学習します。
●疾患・障害の発症の機序と各疾患の臨床症状、診断、検査、治療法についての理解するとともに、それらの疾病の発症予防や健康管理、回復を促進するための方法について科学的根拠に基づいて系統的に学習します。
●人間集団を対象とした健康の保持・増進から疾病予防、QOL(Quolity of life)の向上に至る包括的保健医療の概要を理解するともに、疫学を基盤とした臨床疫学の役割と根拠に立脚した保健医療の実践の基本手順について学習します。

看護の基本 

看護の概念と本質、看護の基本になる理論について学びます。

看護の概念・本質と看護の基本となる理論と知識・技術を学び、看護専門職として基本的な能力と態度を養います。健康・疾病・障害の理解を基礎知識として、科学的根拠に基づいて看護の基本について修得します。

看護援助の方法 

小児、成人、老年など、ライフサイクル各期の看護や、在宅、地域医療などに関わる看護方法についての科目群で構成されます。

ライフサイクル各期における対象特性と健康課題、看護問題に対応する看護方法と看護の場の機能に応じた看護方法を融和して展開する能力を育成します。
●ライフサイクル各期における対象特性や健康問題を理解するとともに、ライフサイクル各期に特徴的な看護問題や健康問題に対応した看護援助を行うために必要な理論と知識・技術を修得します。
●人々のメンタルヘルスの課題や精神的な健康問題をもつ対象について理解するとともに、看護援助を行うために必要な理論と知識・技術を修得します。
●在宅療養者・家族を対象とした看護援助を行うために必要な理論と知識・技術を修得します。
●学校、職場も含めた地域住民全体を視野に置いた看護援助を行うために必要な理論と知識・技術を修得します。
●健康・疾病・障害の理解を基盤知識として、科学的根拠に基づいてライフサイクル各期の看護について修得します。

看護の実践 

様々な健康レベルや、ライフサイクル各期の人々の健康問題を解決するために必要な看護を実践する能力を育成します。

様々な健康レベル、ライフサイクル各期の人々を対象に、講義・演習・学内実習で修得した理論や知識・看護技術を看護実践の場で適用することを通して、対象の看護問題や看護活動の場の機能に応じた適切な看護を実践する能力と態度を養います。
そのため、授業は県内の保健・医療・福祉・教育施設において、小人数のグループを編成し、実習を進めていきます。

看護の発展 

さまざまな看護専門分野の中から、自分の目的や興味に従って学びます。

これまでに修得した様々な学問領域の理論・知識・技術と実践を統合し、看護に期待される時代のニーズや複雑かつ多様化した健康・看護問題に対応して、看護を応用させつつ発展させていくための能力を養います。また、各自が決めたテーマに沿って、担当教員の指導を受けながら、論文をまとめる「卒業研究」も行います。
●学生の多様かつ自由な探究心と進路選択も考慮した自主的な学究心に対応するため看護の専門分野の選択科目を設定します。
●看護が担うべき役割を認識し、生涯にわたって自ら研鑽を重ねながら、その資質の向上に努めていくことができるように、研究的な能力と態度を育成します。