Message

メッセージ・理念

学長メッセージ

看護学は、人々が幸せに命を全うすることを科学的に支援する学問です。本学に集う学生たちには、看護学の科学的基盤を盤石にしながら、命を尊び人々に固有な生活の質を大切にする豊かな人間性を自ら醸成して欲しいと考えています。
 本学は、県民の健康と福祉の向上に貢献できる看護師、保健師、助産師、看護学研究者の育成を目指しています。そして、地域の課題にしっかりと向き合うことが、延いては世界の課題解決に繋がるグローバルな視点を涵養します。すなわち、保健・医療・福祉の現在から未来、地域から世界を回遊するような四次元的な学びを体感して欲しいのです。

 今、科学技術の世界は激変のときです。たとえば、人工知能やロボティクスなどの活用は様々な領域で進んでいます。もちろん、保健、医療、福祉の分野でも例外ではありません。しかし、そのようなときだからこそ、科学が万能ではないことも理解しなければなりません。私たち看護学の領域はもともとそのような性格を持っています。人それぞれがどのように生きたいかという最重要の価値観に、私たち専門家が向き合ってさまざまな課題解決に努力します。そのためには私たち一人一人の人間性が極めて重要です。それぞれの感性と創造力を研ぎ澄まして、私たちは人々の健康と福祉に関する難題に挑戦し続けたいと思います。

 大学教育では既に分かっている知識や技術を伝承することよりも、まだ分からないことを探究する力や答えのない課題を問い続ける力を身に付けることを重要視します。なぜなら、それが未来を創り出す原動力になるからです。この広々とした穏やかな“かほく”の地で、知的な包容力をたっぷりと身に付けませんか。そのための支援に、私たち教職員は全力を尽くします。

 最後になりますが、令和5年5月8日より、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の分類が5類へ変更となり「入院勧告」や「行動制限」といった強い措置がなくなりました。今までできなかったサークル活動、ボランティア、海外研修など、大学生活を思う存分楽しんでください。

次世代看護学の幕開け
無いなら創る——臨床・臨地での実践を最も大切にし、新しいケア技術を確立する。
「人間中心の社会」の実現はケア・イノベーションがカギを握っています。

-学長講演のyoutube動画はこちら-(18:10から)

研究活動情報

学長へのコンタクト

TEL: 076-281-8400  sanadah[at]ishikawa-nu.ac.jp  ※[at]を@に変えてください。

真田 弘美 (さなだ ひろみ) Sanada Hiromi

東京大学名誉教授
石川県金沢市出身 聖路加看護大学卒業 医学博士
米国イリノイ大学大学院留学研修
東京大学健康科学 看護学専攻長 学科長、 グローバルナーシングセンターセンター長を経て令和4年4月より現職
元日本看護科学学会理事長、 元日本褥瘡学会理事長、 元日本創傷・オストミー・失禁看護管理学会理事長、 元日本看護協会副会長
Fellow of the American Academy of Nursing (FAAN)

石川県立看護大学の理念

心と身体を優しく見つめるケアを目指して

看護とは、「さまざまな健康レベルの人々が、その人らしく生活できるよう、援助する仕事」です。そのためには、専門的な知識・技術はもちろん、命を大切にする心や、人間としての豊かさが求められます。

石川県立看護大学は、広く知識を授け、看護学に関する高度な専門的知識と技術を教授研究するとともに、豊かな人間性と高い資質を備えた人材を育成し、もって人々の健康の増進と福祉の向上に寄与することを目的としています。

石川県立看護大学大学院は、崇高な人間性と幅広い視野を基盤に、学際的な視点から看護学に関するより高度な理論と専門技術を教授研究するとともに、優れた研究能力と卓越した看護に関する実践力を持つ人材を育成し、もって人々の健康と福祉の向上及び豊かな生活の創造に寄与することを目的としています。

大学設立の趣旨

21世紀となり、少子・高齢化の進展、疾病構造の変化、医療技術の高度化、国民の健康な生活への意識の高まり等の中で、我が国の保健・医療・福祉を取り巻く環境は、大きな変革の時代を迎えている。

こうした中で、ますます高度・専門化する看護内容や、在宅ケアなど拡大する看護の機能する場に的確に対応するため、保健・医療・福祉の幅広い領域で質の高いケアを提供できる看護職が求められている。

石川県では、県民一人ひとりが真の豊かさを実感でき、生涯にわたり生きがいと活力をもって暮らすことができる「安らぎのある健康・長寿社会づくり」を重要課題として各種施策を推進しており、看護職にはこの健康・長寿社会づくりの一翼を担うことが期待されている。

このような社会的要請に応えるため、本県においては、広く知識を授け、看護学に関する高度な専門的知識と技術を教授研究し、豊かな人間性と高い資質を兼ね備えた人材を育成するとともに、県内の看護教育・研究・研修の拠点として、人々の健康の増進と福祉の向上に寄与することを目的として、県立看護大学を設立した。

教育理念・教育目標

学部

■教育理念

人間の生命や生活の質を真に理解できる豊かな人間性とともに、専門的職業人としての基盤を備え、保健・医療・福祉の幅広い領域で、県民の健康と福祉の向上に貢献できる看護職及び看護指導者の育成を目指します。 

■教育目標

1. 豊かな人間性と倫理観を備えた人材の育成

人間の生命や生活の質を真に理解できる豊かな人間性とともに、専門的職業人としての基盤を備え、保健・医療・福祉の幅広い領域で、県民の健康と福祉の向上に貢献できる看護職及び看護指導者の育成を目指します。

2. 看護学に求められる社会的使命を遂行し得る人材の育成

看護専門職として必要な知識、技術を修得し、人々の健康と生活に関わる諸問題に対して、科学的な根拠に基づく判断力と問題解決能力及び看護学研究に関する思考力と創造性を涵養し、看護学に求められる社会的使命を遂行し得る人材を育成する。

3. 調整・管理能力を有する人材の育成

保健・医療・福祉等について総合的視野を持ち、関連分野の人々と連携・協力して行われる看護実践を通して、調整・管理能力を有する人材を育成する。

4. 国際社会でも活躍できる人材の育成

国際的な視野から、健康問題や看護問題を思考、判断し、国際社会でも活躍できる人材を育成する。

5. 将来の看護リーダーの役割を担う人材の育成

社会状況の変化を踏まえ、看護が担うべき役割を展望し発展させるため、自らの研鑽を重ねながら、その資質向上に努め、看護学の発展に寄与し、将来の看護リーダーとなることができる人材を育成する。

大学院

■教育理念

「人間の生命や生活の質を真に理解できる豊かな人間性とともに、専門的職業人としての基盤を備え、保健・医療・福祉の幅広い領域で、県民の健康と福祉の向上に貢献できる看護職及び看護指導者を育成する」という本学の教育理念を受け継ぎ、深化・発展させる。看護を取り巻く状況が高度化・複雑化・専門化する中にあって、より質の高い効果的な看護を構築・提供するために、学際的で深い科学的知識と高度の研究能力を有して看護学教育・研究・実践に携わることのできる教育者・研究者・高度専門職業人を育成し、看護学の一層の確立と看護実践の発展に努める。

■教育目標

1. 看護学教育を支える教育・研究職の育成

本課程では、学部で蓄積された看護学に関する成果を、さらに深化・発展させることによって時代と地域の要請に応えるため、看護学分野における学術上の先端的役割を担うとともに、知識の体系化と看護技術の開発を積極的に推進し、看護学の学問体系の構築に貢献する教育・研究職の人材を育成する。

2. 高度な専門的知識・技術・実践能力を備えた看護職者の育成

実践現場において直面する種々の問題について、体系的、継続的に研究を行い、合理的に問題解決できる人材や、看護職に対する指導・相談、関係する職種間の総合的調整能力、ケアの環境条件を積極的に改革していく役割を担う人材の養成が求められている。そうした要請に応えるため、専門看護師(CNS:Certified Nurse Specialist)の養成を図り、もって地域の看護の発展に一層寄与する高度専門職業人を育成する。

3. 女性の一生を通じた性と生殖に関わる健康を推進できる助産師の育成

時代の流れや社会情勢に高い関心と洞察力を持ち、多様化する女性の生き方や家族のニーズ、専門化・複雑化する助産に対応できる人材や、保健・医療・福祉に携わる多職種と積極的に連携・協働し、継続的に援助を推進できる人材の養成が求められている。そうした要請に応える助産師の養成を図るとともに、助産学の発展に寄与する専門職業人を育成する。

4. 生涯にわたって研鑽できる看護職の知的交流の場づくり

日々進歩・発展する医療技術と看護環境の変化に機敏に対応し、看護の知識と技術の向上を図るため、看護の実践現場と教育・研究の場の交流を活発にし、地域が要望する質の高い看護サービスの提供を図っていく。そのためには、学部の社会人入学に加えて、卒業後の継続教育、社会人の再教育の場を提供する必要 がある。本課程は、このような向上心旺盛な学部卒業生や社会人の受け皿としての機能を持ち、看護現場のより一層の質の向上のために寄与することを目指す。

■教育理念

「人間の生命や生活の質を真に理解できる豊かな人間性とともに、専門的職業人としての基盤を備え、保健・医療・福祉の幅広い領域で、県民の健康と福祉の向上に貢献できる看護職及び看護指導者を育成する」という本学の教育理念を受け継ぎ、深化・発展させる。看護を取り巻く状況が高度化・複雑化・専門化する中にあって、より質の高い効果的な看護を構築・提供するために、学際的で深い科学的知識と高度の研究能力を有して看護学教育・研究・実践に携わることのできる教育者・研究者・高度専門職業人を育成し、看護学の一層の確立と看護実践の発展に努める。

■教育理念

1. 看護学や看護実践の発展に寄与する教育者・研究者の育成

看護・保健・医療・福祉を取り巻く環境の変化や地域の要請に対応することができる高度で専門的な知識・技術と、総合的判断力、リーダーシップを備えた看護職を養成する。また、これまで蓄積された経験知や実践知に基づいてより効果的な看護ケアプログラムを開発していくとともに、健康に関する人々の反応や看護援助にまつわる専門的知識を系統的に理解し、諸科学の知見と関わらせながら看護学をさらに体系化し、かつ現代社会の変化や趨勢に照らして看護が果たすべき役割を発展 的、科学的、体系的かつ原理的に探求していくことができる教育者・研究者を育成 する。

2. 科学的な理解に基づいて看護をデザインできる研究者の育成

地域社会並びにそこで生活するあらゆる健康レベルの人々やその家族に対して総合的なヘルスケアをデザインするために、高度な理論・方法など学際的な知識体系を修得・活用して新しい看護実践方法、環境、用具等の開発を行なう。さらに、それらの実践の場における有用性の検証を図り、実践に活かせるエビデンスを明らかにできる研究者を育成する。

3. 対象の特性を踏まえた看護を実践できる研究者の育成

効果的な看護ケアプログラムの開発、あるいは対象者個々の個別性を踏まえ、その人たちが帰属する地域の文化的特性を踏まえた看護援助の開発、エビデンスに基づいた看護援助法の確立をめざした高度の研究を継続的に推進していくことのできる研究者を育成する。

アドミッション・ポリシー / カリキュラム・ポリシー / ディプロマ・ポリシー

学部

■アドミッション・ポリシー【求める人材】

看護とは、「様々な健康レベルの人々が、その人らしく生活できるよう援助する仕事」です。そのためには、専門的な知識・技術はもちろん、命を大切にする心や人間としての豊かさが求められます。本学では以下の資質を有する優秀で意欲ある人材を広く求めます。

    1. 大学で学ぶ上で必要とされる基礎的学力を身につけている。
    2. 人間や生命に関心をもち、保健・医療・福祉分野で活躍・貢献したいという目的意識を持っている。
    3. 周囲の人と協力して物事を進めることができる。
    4. 他者の意見に耳を傾け、自分の考えを表現できる。
    5. 自己学習・自己啓発を継続する意欲がある。

■カリキュラム・ポリシー【教育課程の編成・実施方針】

学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)に掲げる知識・技術などを修得できるように、人間科学領域の科目と看護専門領域の科目を体系的に編成しています。教育内容、教育方法、教育評価について以下のように定めています。

教育内容

学生が大学での学修に適応するための科目を初年次に配置する。加えて、人間科学・健康科学・看護学の科目間の連携を図り、それらを統合して学べるように科目を配置する。
看護専門領域に、「健康・疾病・障害の理解」「看護の基本」「看護援助の方法」「看護の実践」「看護の発展」の科目を配置する。また、人間の成長・発達、健康の維持増進から終末に至る健康問題を科学的に評価し、生活・療養の場に応じた看護の必要性を学べるように設定する。
さらに、様々な状況に対応できる能力、多職種と連携・協働しながら看護の専門性を発揮できる能力、将来を切り開いていく能力を統合・発展させるための科目を段階的に学べるように設定する。

教育方法

幅広く統合的に看護を学ぶことができるよう、積極的に人々の生活の場に出向いたり、アクティブ・ラーニング、異学年交流等を活用した講義、演習、実習を適切に組み合わせた授業を行う。
個々の学修深度や能力に応じた指導を行うため個別学習やレポートを課し、フィードバックを行う。
学生のより積極的な学習ニーズに応えるため、外部の客観的評価試験や外部の開講科目(放送大学、シティカレッジ等)を活用する。
学年進行に沿って、学修を統合的に積み重ねることができるように履修指導を行う。

教育評価

各科目の学習目標の達成度を評価し、その基準は授業計画に示す。加えて、本学の履修規程・学則に基づいて総合的に評価する。

■ディプロマ・ポリシー【学位授与に関する方針】

教育理念を基に本学の教育課程に沿って研鑽に努め、指定する卒業単位を修得することで、下記の能力・資質を修得・涵養し、それらを総合的に活用できる人材を養成します。

  1. 看護の基盤となる豊かな人間性や倫理観と教養を身につけている。
  2. 看護職として専門分野における学問内容の知識・技術を修得している。
  3. 人間の身体的・心理的・社会的な健康状態を科学的に評価し、的確な判断ができる。
  4. 人々の健康維持と増進、予防、また健康障害からの回復過程等、全ての健康段階を連続的に捉え、生活に根ざした支援の必要性を理解できる。
  5. リーダーシップを身につけ、自ら多職種と連携・協働することができる。
  6. 国際化及び社会の医療ニーズの変化に対応し、生涯を通して自己を高めることができる。

大学院

■アドミッション・ポリシー【求める人材】

本学の看護学研究科では、入学者選抜試験を実施し、以下の資質を有する優秀で意欲ある人材を広く求めています。

    1. 幅広い基礎学力を有し、かつ希望する専攻分野の基礎知識を有する人
    2. 人間や社会に対して広く興味を持ち、豊かな人間性と高い倫理観を有する人
    3. 看護学を通じて地域社会及び国際社会に貢献する意志を有する人
    4. 専門看護師コース志望者は、対応する分野の実務経験を有し、専門看護師の資格取得を志す人
    5. 助産実践コース志願者は、助産師の免許取得を志す人

■カリキュラム・ポリシー【教育課程の編成・実施方針】

博士前期課程では、より卓越した看護実践能力と高い研究能力を有し、看護学の研究や教育、看護実践・管理に携わることのできる研究者・教育者・高度看護実践者を育成する。研究コースに加え、専門看護師コースと助産実践コースを設け、次のような教育課程を編成している。

    1. 広い視野で看護を学ぶための学際的な科目から構成されている「共通科目A」、科学的根拠に基づいた高度な看護実践能力を育成するための「共通科目B」、各研究教育分野におけるより深い専門性を学ぶ「看護専門科目」を置いている。
    2. 国際的な視野を持ち、より効果的な看護を探究し提供していくために、海外の招聘教員による国際看護を学ぶ科目を置いている。
    3. 論文作成にあたっては、研究計画の中間報告や複数教員による、組織的で計画的な研究指導体制をとっている。
    4. 専門看護師コースでは、特定分野におけるケアとキュアを融合した看護実践力、保健医療福祉チーム内の調整力などの育成をめざし、看護実践力の高い専門看護師とタイアップして日本看護系大学協議会で認定された専門看護師教育を展開している。
    5. 助産実践コースでは、助産師免許取得に必要な科目のみならず、多職種と連携してハイリスクに対応でき、多様な年代の性と生殖に関わる健康問題に応えられる専門的知識・技術や倫理的態度を育成する科目を置いている。

■ディプロマ・ポリシー【学位授与に関する方針】

所定の単位を修得し、次のような研究能力や看護実践能力を有する者に修士(看護学)の学位を授与する。

    1. 看護学に寄与する修士論文の作成を通して、学際的で深い科学的知識を基にした体系的な研究方法を修得している。
    2. 専門看護師コースでは、1に加えて特定の看護分野における高度な知識と技術を修得している。さらに、総合的な判断力をもって組織的に問題解決をはかる能力を身につけている。
    3. 助産実践コースでは、1に加えて専門化・複雑化する助産分野に対応できる助産実践能力と助産管理の基盤となる能力を修得している。さらに、女性のライフサイクル全般の性と生殖に関わる健康問題に応える能力を身につけている。

■アドミッション・ポリシー【求める人材】

入学者選抜試験を実施し、以下の資質を有する優秀で意欲ある人材を幅広く求めています。

    1. 実務経験を有し、看護学への探求心を有する人
    2. 看護学研究に対する高い動機と学びに必要な基礎的研究能力を身に付け、自立して学修する姿勢を有する人
    3. 看護学を通じて地域社会及び国際社会に貢献する意志を有する人
    4. 看護学や看護実践の発展に寄与する意志を有する人

■カリキュラム・ポリシー【教育課程の編成・実施方針】

博士後期課程では、看護学や看護実践の発展に寄与する研究者・教育者を育成するために、教育課程においては次のような点を重視している。

    1. 広い視野で看護学の学的基盤を見据え、看護実践のもととなる原理を解明する能力や人々の健康ニーズに役立てる能力を身に付けるために、研究計画の中間報告や複数教員による組織的、かつ計画的な研究指導体制をとっている。
    2. 学位論文の審査にあたっては、他の大学院等の教員を審査委員に加える等、論文の質の向上と客観性の確保に努める。

■ディプロマ・ポリシー【学位授与に関する方針】

所定の単位を修得し、看護学や看護実践の発展に向け、学位論文において新しい知見を産出し、自立した研究活動に必用な能力を有する者に博士(看護学)の学位を授与する。