1. 本学のがん看護専門看護師養成コース

2007年4月から「がん対策基本法」が施行され、がん患者の意向を十分に尊重した適切ながん医療をうけることが出来るような体制づくりの構築や整備が推進されています。そして、これらを実現していくためには、がん看護における高い実践能力や、問題解決能力、教育や研究能力を有する看護師が求められています。また、2017年には第3期がん対策推進基本計画が発表された。今回は、「がん患者を含めた国民が、がんを知り、がんの克服を目指す」を全体目標に上げ、これまでの計画に加え、「がんゲノム医療・小児がん・AYA世代のがん・高齢者のがん医療の充実」や、がんとの共生として「ライフステージに応じたがん対策」が盛り込まれた。このようにがん医療が変化する中で、がん患者に関わる看護師にはさらなる期待が求められています。
日本看護協会では、「特定の看護分野において卓越した看護実践能力を有する者」である専門看護師を社会に送り出しており、「がん看護」分野でも、複雑で解決困難な看護問題を持つ個人、家族及び集団に対して水準の高い看護ケアを効率よく提供するための知識や技術を深め、保健医療福祉の発展に貢献し、併せて看護学の向上をはかる専門看護師の養成が期待されています。
本学大学院博士前期課程の成人看護学分野は、2008年に「がん看護」の専門看護師(CNS)教育課程として認可され、2014年にはこれまでの28単位から36単位に履修科目を増やし、より専門性の高いがん看護専門看護師の育成をめざしています。
この10年間で14名のがん看護専門看護師が誕生し北陸3県で活躍しています。

2. めざしている専門看護師像

近年、国民の2人に1人ががんに罹患すると言われています。がん医療の進歩はめざましく進み、全国でがん医療の均填化をはかることを目的とした取り組みがされています。一方で、社会情勢も変化し、がん患者や家族の背景は様々であり、彼らを取り巻く問題は複雑になってきています。
本学では、このようながん医療の現場において、看護ケアの改善や看護学の向上、保健・医療・福祉の発展への貢献のために、CNSの重要な役割である卓越した看護実践、相談、調整、倫理調整、教育、研究活動を果たせる能力の育成に努力しております。
特に、がん看護の分野の中でも「緩和ケア」「化学療法看護」をサブスペシャリストとする専門看護師を養成しています。当大学院では、患者や家族に寄り添い、真摯な姿勢で彼らと共に生きる意味を探求することができるがん看護専門看護師を養成することを目指し、授業・ゼミ内容を工夫しております。

3. カリキュラム

□成人看護学分野 専門看護師コース 開講科目

成人看護学特論
がん病態治療学特論
がん看護援助論
がん看護学演習Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ
緩和ケア演習Ⅰ、Ⅱ
がん看護学実習Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ

□共通科目

*共通科目A (看護科学論、看護研究)
 ※ その他共通科目より4単位選択履修
*共通科目B(臨床薬理学、アドバンストフィジカルアセスメント、病態生理学)

4. 当大学院におけるがん看護専門看護師養成のための学習環境

1. 実習施設

がん看護CNSに必要な能力を養うための実習施設には、北里大学病院、神奈川県立がんセンター、金沢医科大学病院、福井県済生会病院、富山県立中央病院などを利用しております。北里大学病院・神奈川県立がんセンターでは多くのがん看護CNSが活躍しており、豊富な知識と技術を直接学ぶことができます。その他、本学を修了し、北陸でがん看護CNSとして活躍している先輩から直接指導を受けることができるシステムをとっております。

2. 北信がんプロの利用

本学の大学院カリキュラムでは、文部科学省の「がん専門医療人材」養成プランで北信地域が採択された「超少子高齢化地域での先進的がん医療人養成」の中で、看護師養成の役割を担っている。特に、ライフステージ事例検討会や、看護師を対象とした研修・講演、海外研修などを企画し、大学院教育に活かしている。また、がん看護専門看護師コースは、北信がんプロでの「本科生」として所定の手続きをとることで、北信がんプロ認定機構より認定を受けることができます。(http://gan-pro.net/about/

3. がんライフステージ事例検討会

がん看護の質の向上のために、毎月(1.4.5月を除く)事例検討会を開催している。この事例検討会には、がん看護CNSをはじめCNS資格申請予定者、がん看護に携わる医師・薬剤師・看護師などが一同に集い、臨床で対応が困難だった看護等の事例についてテレビ会議システムを通じてディスカッションを行っています。
(http://www.ishikawa-nu.ac.jp/hokushin/project/lifestage/)